(2009年 6冊目)「裁判長!これで執行猶予は甘くないすか」 深刻な現実がそこにある

裁判の傍聴に行ったら、普通の幸せな生活がいかに難しいか、そしてそれがいかに貴重な、大切なものであるかがよくわかるのではないかと思う。
前回読んで、身近にある深刻な現実を考えさせられた北尾トロ氏の傍聴本の続編です。

裁判長! これで執行猶予は甘くないすか (文春文庫)

裁判長! これで執行猶予は甘くないすか (文春文庫)

内容がさらに濃くなり、今回も読んでは、多すぎる不幸のバリエーションにくらくらし、ますます傍聴してみたい気持ちが強くなりました。

この本の中で紹介されて、そういえば買ったまま見ていなかった「それでもボクはやってない」を見ると、おお、出てました北尾氏(笑)
ヒゲもじゃで怪し過ぎますが・・・

それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]

それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]

痴漢(えん罪なのですが)をしたとして起訴された被告人が裁判で無罪を勝ち取ろうとする物語。
北尾氏が触れているように、裁判の模様がとてもリアルで、そのラストも夢のないリアルさで、見終えた後「裁判」というシステムの意味、問題を考えさせられました。
「真実はどうでもいい。原則、有罪で処理」とならざるを得ない警察、検察そして裁判(官)の現状。何とも言えない気持ちになりました。
その昔の大岡越前をヒーローとしてしまうような、ややこしいことは国に任せっぱなし、頼るばかりの我々国民に問題の本質はあるんですけどね。


そんなところへ、このニュース。
警察庁、最高裁による無罪判決を受けて痴漢の捜査方法を見直しへ - GIGAZINE
1000分の1の確率で起きた無罪判決なのか、それともこれがターニングポイントになるのか。
また今後、取調べの模様をすべて録音・録画していくことにもなりそうであり(http://www.kensatsu.go.jp/oshirase/080324torisirabe/torisirabe.html)、今後刑事裁判は変わっていけるかもしれません。