影響力の武器 試食したら買わなきゃって思うのはどうして?
「デパートの試食コーナーで試食したら、買わないといけないような気がするのはなぜか」
分かります?
本の帯に書かれたこの言葉に惹かれて400ページほどあるこの本を読み始めたのだが、ちょっと読み始めて分かった「この本はすごい!」
ビジネス書のうち、読み終わった後に「ずっと取っておこう」と思うような作品は滅多にないが、この本は違う。久々に一生モノの「バイブル」となる本だった。
- 作者: ロバート・B・チャルディーニ,社会行動研究会
- 出版社/メーカー: 誠信書房
- 発売日: 2007/09/14
- メディア: 単行本
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冒頭の問いにあるように、人間はつい自然とこういう気持ちになると思う。
私も、試食をしてしまったら買わないと悪い気がしてしまうので、スーパーで試食の売り子を見かけると、遠回りに歩いて試食しないようにしている。
コンビニでトイレを借りたら、そのまま出るのは悪い気がして、ガムやチョコレートを買ってしまったり。
でもどうしてこう感じてしまうのか、分かるようで分からない。
読み進めると、その心理のメカニズムが、様々な社会実験や実際の出来事の検証に基づいて鮮やかに説明されていた。
この本によると「つい自然とそういう気持ちになる」ことを「カチッ・サー」と表現していた。
あることが起きると、それに対して自分の脳の中でカセットテープのスイッチを「カチッ」と押してテープが「サー」と流れるように、決まった同じ反応が自動的に起きるというのだ。
おもしろい表現だが、なるほどと思う。
確かに、この本に書かれている場面に陥ると、自然とそう考えてしまうのだ。
この本に書かれている、「カチッ・サー」が発生してしまうケースは、次の6つである。
- 返報性のルール (恩義を感じたらお返しせずにはいられない)
- コミットメントと一貫性 (一貫しない行動を取ったら愚かな人間と思われるのが怖い)
- 社会的証明 (みんながいいと思っているモノはいいはず)
これらはちゃんと400ページ読んでみないと腑に落ちないし、心にも残らないと思う。
どこかのブログやamazonの書評を見て、分かった気になったとしても、それが腑に落ちない限り自分の行動に反映させることはできない。
ぜひ買って、ダーマトで線を引きながら読んでみてほしいと思う。
この本は本棚の一番目立つところに置いておこう。