知的障害者とは

今週は高校新卒採用直前のため、バタバタのまっただ中。
そんな中、新たに緑化管理等の業務をお願いするため知的障害者の採用を考えており、施設を訪問し責任者の方と相談してきました。
障害者のイメージは昔に比べ大きく改善していると感じますが、実際に企業において知的・身体障害者を雇用するのは、正直大変なケースの方が多いのではないでしょうか。


私は、過去勤めていた企業で、一度だけ障害者を社員として採用したことがありました。
その人は生まれたときから下半身が不自由で、車いすに乗り養護学校に通い、OLとしてある程度通用するスキルを身につけられるコースを歩んできました。
しかし実際に採用してみると、最低限のOLスキルもなく、仕事は人の8倍くらいの時間がかかり、多くの場合周りに手伝ってもらい、結局まともな仕事をお願いすることはできませんでした。
また私生活においても、私やほかの社員が時々家に行き、helpしなくてはならないような状態でした。
このことが悪いとは思いません。
自立できている障害者もいれば、そうでない人もいる、ただそういうことだから。


ただこのことを通じて思ったのは、健常者→事故等→身体障害者となった人と、生まれながらに身体障害者であった人とは、大きな差があるんだなということでした。
健常者であった期間が長ければ、たとえ本人の要領が悪くても、ある程度のスキルは身についている。
でも、最初から身体障害者であった人は、身についていない。
その人と一緒に仕事をしたり、土日につきあったりしていく中で、それは本人の能力というよりは、そう行ったことを学べない周囲の環境が原因なのではないかなぁと感じていました。


というのは、その人のお母さんやお姉さんはとてもその人のことを心配し、いろいろな側面でかまっていたのを見たからです。
今、私自身が親になって分かるのですが、子どもは本当にかわいいです。
必ず幸せになってもらいたいと強く強く思います。
それが大抵の親でしょう。
となると、自分一人ではうまくできないかわいいわが子に対して、手を貸すのはとても自然です。きっと私もそうしてしまうと思います。
しかしながら、本人の将来の自立を考えると、本人を成長させるべく突き放すぐらいの気持ちで育成しなくては、一生かわいいわが子は苦労することでしょう。
親はそれがなかなかできないのではないでしょうか。


多くの障害者と会って考えたことではないので間違っているかもしれませんが、ふとそいういったことを思いました。
今日会った知的障害者は、無口ですが、問いかけにはちゃんと考えて答えることができ、想像以上に普通にコミュニケートできる方でした。
訊いたところいわゆるIQは小学生低学年程度らしいのですが、仕事は普通にできるようです。
IQで全てのスキルを量ることは当然できませんから、それで判断するのは危険ですね。
採用できるかどうか、これから検討です。