ひとひら 4

ひとひら 4 (アクションコミックス)

ひとひら 4 (アクションコミックス)

読んでほっとしました。「ひとひら」の作品の良さはまだちゃんと続いてる、って。
これまで麦が自分に無理をして、それでも人の思いに応えようとがんばってきたプロセスは、本当に心を打つものでした。
私には珍しく、読み返そうと思うほどよい内容で、しかしそれ故に今後がとても心配でした。
「こんなによい内容で描き続けることは難しいだろう。次第につまらない作品になってしまうのでは・・・」と。
しかしこの4巻を読んで、全くの杞憂に終わってほっとしています。
麦は他人に依存しがちな自分を何とかしようと努力し、自分自身で道を選択しようとしています。
なかなか人はそう簡単には変われるものではなく、やはり麦も決断ができなかったり、1歩進むのではなく、半歩だけだったりと、なかなか変わることはできませんが、それがとてもリアルで、共感できます。


これを読んだあと、今年6月に入社したある新入社員のことを思い出しました。
今の自分の未熟さに何の疑問も持たず、成長など考えたこともない。
自分の嫌なことはしない、気楽に生きたい、といった感じの社員でした。
そのままでこの世の中をサヴァイヴできる訳がないのに・・・
これまで学校でも家庭でも甘やかされて育ってきてしまったのでしょう。
そう思い、敢えて厳しく接していたところ、その社員は無断欠勤が続き、結局1週間で辞めてしまいました。


作者である桐原いづみさんは、絵のレベルはあと一歩というところですが、作品の内容は素晴らしいレベルだと思います。
これからもいい作品であり続けるでしょうから、今後ともとても楽しみです。