隠れた論点を見出せばより上手く交渉できる

仕事や日常生活の様々な場面において、利害関係が一致しない相手と交渉し、結論をださなければならないという状況は多々ある。
当事者が友人のような良好な関係を持っている者同士であれば、協力し合って解決できるが、利害関係が対立した者同士である場合は、そうはいかない。
故に「友人同士」とまではいかないだろうが、当事者がお互いを理解し合えるよう、まずは相手(の利益)を理解し、そして自分を相手に理解してもらえるよう伝える姿勢で、交渉していくことが、最適解に至る早道である。


雑誌『プレジデント』の公式サイト


このプレジデントのコラムを読んで、当たり前であるがなるほどと思っていたら、次にもっとなるほどと思うことがあった。

「お金の問題」が発生したときは、往々にしてお金以外の問題をはらんでおり、そちらの方が重要なケースが多く、そのポイントを交渉の過程で見つけ出さなければ最適解には至れない、というのである。
例えば、昇給を求める社員は、実はよりやりがいのある仕事を求めているのかもしれないし、より充実したオフィス環境を求めているのかもしれない、と。

人と論議をしていると、ついそこに既にあがっている論点のみについて話をしてしまう。
しかし、全ての論点がそこにあがっているとは限らない。
だから、論議の途中で一呼吸おいて、本当にそれが論点の全てなのか、他に論点があるのではないかと一度考えることはとても有意義だ。
論議中は熱が入っていて、つい忘れそうだが、気にしながら話をしていきたいと思う。


また、おまけだが「昇給を求めている社員について、実際にはお金以外の何かを求めている可能性がある」というくだり、これを読んで「人間の究極の幸せ」のことを思い出した。


あるお坊さんが語ったことには、人間には4つの究極の幸せがあるという。
(1)人に愛されること
(2)人に褒められること
(3)人の役に立つこと
(4)人に必要とされること

このうち、(1)以外は全て仕事を通じてしか得ることができない。
だから、会社は社員がそれらを感じられるようにしていかなければならない、と語っていた経営者もいた。


この考えは、私の哲学の一つになっている。
会社であろうが家族であろうが、この考えはどこにでも通用する。
人がこれらを感じ、幸せだと感じられれば、人は喜んでぐんぐん成長できると思う。
生きていく上で、いつも忘れずにいたいと思う。