個人目標とグループ目標、どちらの方が効果があるか?


現在、スタートして5年ほどの、約100人ほどの事業場で仕事をしている。
直接の部下は一人だけなのだが、人事という仕事柄もあり、またセクションマネジャーのサポートの役割も担っているため、セクションや事業場全体のこともよく考える。


特に考えているのが「組織のパフォーマンスを上げるためには何をどうすればよいか?」について。


これはとてもいろいろなことが考えられる。
企業カルチャーや意識の変革、業務プロセスや職場環境、設備、人間関係の改善、人事制度(雇用、教育、考課、賃金)の改革、社内イベント等々。
「社内にスターバックスを設置したら、社員のモチベーションがあがり、成果もでる!」なんてアイディアも大いにありだ。


「行くのが楽しみ!(o^∇^o)ノ」になるような会社の実現のため、昨年末よりアイディアを練り上げ始めたところで、今考えているのが「人事考課」のこと。
小さな会社なので、目標は「個人別」とするよりも「会社全体」の目標を設定して、その達成度合いを評価していくのが、一致団結・協力の雰囲気を醸しだし、全体のパフォーマンスも上がるのではないかと考えている。
しかし、このことは昔いた会社で上司と大きな論議になったことがあった。
「どうして成果の出せない他人の分をカバーするような連帯責任を取らなくてはならないのか?」という主張に対して、当時私は答えることができなかった。確かにその通りでもあったからだ。しかしそれでも全体のパフォーマンスのためには、その方が適切だとも感じていた。
そんな「個人目標と組織目標はどっちがいい?」ということについて心理学者が実験を行った結果について書かれたコラムがあった。

雑誌『プレジデント』の公式サイト

とても面白い結果である。

チームに対する「責任」というプレッシャーと、チームで取り組むことで一人で行うよりも盛り上がり目標が高まるという集団心理「リスキー・シフト*1によって、チームのパフォーマンスが高くなっていくのである。

このコラムの最後にあるように、フリーライダーを避けるべく、やはり個人目標も必要なのだが、最終的にチーム目標の達成を基準とすることで、メンバーの協力意識も高まると思う。
このことを考慮しながら、目標は定めていきたいと思う。

*1:個人の意志決定よりも、集団の意志決定の方が高いリスクの意志決定を行う傾向がある、という特徴を指すが、この傾向を上手く利用すればよりチャレンジングな目標を立てることができる