はじめてのおこづかい


2週間に一度は家族で図書館に出かけます。
私自身が図書館の雰囲気が好きで、本を読むことを子どもの習慣にもしたいと思い、一緒に定期的に出かけています。
そんな中、娘が妻と一緒に選んできて、私も読んでしまったのがこの「はじめてのおこづかい」です。
1年生のきこちゃんが、50円/weekのおこづかいをもらうようになり、苦労しながらおかねの使い方を学んでいくお話です。
しかし考えさせられてしまったのは、お金の使い方云々ではなく、きこちゃんとその友達との人間関係と、人間がもつ自己顕示欲でした。
きこちゃんは他の友達が誰ももっていない「粘土消しゴム」を見せびらかして、ほしがる友達に対して優越感を感じてしまい思わず「今度みんなに買ってきてあげるよ」と言ってしまいます。
それは6週間分のおこづかい300円を貯めて買ってあげる必要がありました。
しかしビー玉やお菓子など、自分自身のほしいものがたくさんあって、結局それらをちょこちょこと買ってしまうため、お金が貯まらず、友達からは「まだかよ〜」と非難され辛い思いをし続けます。
結局友達に買ってあげるまでに半年以上かかってしまいます。しかしついに友達に買ってあげることができたと思いきや、友達からは「へっ、こんなの、もう きょうみないなあ・・・まあ、もらってやらあ」とか「おれ、もう とっくに わすれてたのに。まぬけだなあ、おまえ」などと言われる始末。
しかし内容はどうであれ、約束を守った娘を母親はきちんと評価しほめてあげ、きこちゃんは自分の行動について、反省するところは反省し、また満足するところは満足し、学ぶことができました。


人間はいいことをされれば喜び、いいことを返してあげなければならないと自然に感じるもので、私自身やはりそう感じますが、そう感じない人間もやはりいます。
理想的ではありませんが、いい人には誠実に、薄情な人には薄情に、と、相手に応じて行動が変わってしまうのは仕方がないかなと思ってしまいます。
利害関係がある人間であれば、理想的な人間になれるよう変えていく努力をしたいと思いますが、相当の労力がかかりるため、関係の薄い人についてはそこまでしないでしょうね。
それができれば真に理想的な人間だと思いますが・・・
うーん、小学生向けの本でも考えさせられることがありますね。

はじめてのおこづかい (新・創作えぶんこ)

はじめてのおこづかい (新・創作えぶんこ)